2005.10.26-27 コスギダ沢(登り)― 上シラケン(下り)
AM 5:00 
 宮之浦を出発。今にも雨が降りそうな感じ。暗い中を永田へ向け出発。
メンバーは、自分と吉原氏、そしてもう一人ガイドの日高氏の3人。以前にもこのメンバーで鯛ノ川中部沢登りを行っている。

AM 6:00
 永田の林道終点に到着。身支度と食事を取り、明るくなりつつあるところをヘッドライトを着けて歩き始める。
林道を10分ほど歩き、まだ足元が今一つ定まらなかったが、145のピークのある沢から永田本流に入渓。大きな沢の方が明るく、歩きやすい。(無論足元注意だが!)
右岸からのはり出しを2つ越えたところで下シラケンとの出合いとなる。(スタートより20分経過)まずナメ滝があり、次に3m、10mの滝と続く。直登はできないので、全て右岸を巻いた。

 さらに30分ほど遡行したところ(230m地点)で、左から沢、さらに少し歩くとコスギタ上シラケンがそれぞれ顔を覗かせてきた。この時はまだただの沢にしか見えなかったが、思えばここからが今回の苦戦の始まりだった。
 我々はコスギダの左岸を巻きながら進んだ。その後、地図上では左に大きくカーブしていたのだが実際はあまり分からずにやりすごしてしまう。300、400と徐々に標高を上げるとともに雨が降ってくるのが分かる。―と同時に荷物の重さを感じ始める頃でもあった。荷物の重さを感じるのは背負っている時はもちろん、CSF等でのロープによる荷上げの時には特にそう感じる。

 後方に張り出したピークを見ながら遡行していると、ヒアグレ沢との出合いが近づいてきた。460m付近になるだろうか。しかし、なかなか標高を稼げない。沢の出会いに近づけない。この時がだいたいAM10:00頃だろうか。

 さらに遡行を続ける。携帯したアミノバイタル(味の素産:高濃度アミノ酸含有サプリメント)を含みつつ、標高を600、700と上げていく。―が、高巻きにおいてバンドが大きいためいつもの様に上手くいかない、いやらしい高巻きとなる。当然時間が掛かり、その分ロスとなる。私はできるだけ沢中央の突破を図りたかったが、現状では無理だと判断した。


 750m付近がダン沢との出会い。遠くに立派な滝が望めた。が、時間が無いのでやり過ごすことに。ここまで500m以上の標高を上げてきたことで、自分の足も悲鳴を上げ始める。攣った太腿を吉原氏、いやもうすでにここでは軍曹となったか。軍曹にマッサージをしてもらう。山で足が攣る時はいつも同じ場所が攣る。普段ラグビー等の運動で足が攣る時はふくらはぎが多いが、山では太腿だけが攣る。やはり使う筋肉が違うのだろう。
足の攣りは、動きを止めてしまうとより固まってしまう為、痛くても歩き続ける事が肝要だ。という事で、痛む足に鞭打って進む事に。


861ピークを巻き、さらに標高を上げていく。高巻きも増え、その分体力も使う。場所によっては杉の大木を使ってバイルで登る。(このバイルは吉原氏の物だったが、この登山中になくしてしまったらしい。)
 ようやく1000m付近に到着。登れそうな、いや無理そうなCSFで昼食を取ることに。


 休憩後、つらい登りが始まる。大きな壁に阻まれ、トラバースができない。足もいうことをきかない。体も、気持ちも重い時間帯。傾斜もここにきてキツくなる一方。体力の低下を実感する。そんな私を見て、声掛けが始まった。気持ちを盛り上げ、体力低下分をカバーするのだ。そんな状況になっても、それでもやめたいとは思わない。なぜか?


 さらに進む。テープスリング、ロープがとても頼もしく思えた。そんな状況を見かねて吉原氏が私の荷物を日高氏と分担して持ってくれた。これで気分的にも少し楽になり、なんとか難所を越える事ができた。だが、私への声掛けは終わらなかった。

 声掛けが終わったのは、辺りがうっすらと暗くなりはじめた頃だった。1212ピーク付近でよいテント場があったのが幸いだった。 そして夕食。重かった荷物の一部:肉&味噌・キムチを使っての豪華な鍋!おいしかった!二人に感謝。
夜は寒く、雨もしとしとと降っていた。しかしテントの中は特に問題なく、4〜5時位までぐっすりと1時間寝るする事ができた。


 翌朝は晴れ。昨日の雨が嘘のようだ。
AM6:30にテント場を出発。坪切ピークまで一気に駆け抜ける。ピークとおぼしき所で記念撮影をするが・・・コンパスを切ると、地図と違う。そこはどうやら本命ピークでは無かった様で。仕切り直しでピークを探す。と、少し離れた所に三角点を発見。ようやく目的(?)を達成。3ショットで記念撮影。

 三角点を発見し終えた所で、尾根下りが始まる。もう一つの目的:上シラケンの下りなのでは?という声は誰からも、自分も言わなかった。3人の気持ちはここで一致していたのだ。そして、目的を達成できない悔しさも同じように皆感じていたのだろう。やはり、時間が足りない。もう少し時間があれば・・・

 コスギダ沢と上シラケンの出会いまでの尾根(標高1350〜1200〜1100m)を沢に誘われない様に尾根筋を忠実に守る。この尾根も痩せ尾根でなかなか厳しい斜面となっており、滑るとかなりヤバイ感じだ。

 950m地点のガレ場が上シラケンに100mほど落ちていた。それを見て、尾根歩きを決めていた3人であったが、やはり上シラケンへの思いは止まず―。ガレ場から下っていく。下ったそこ本流上シラケンは、ガレとガレ、倒木と岩ナメ、そしてすぐ下に30m級の滝。なかなかに厳しい場所だった。
さすがに滝の直下はできず、トラバースを試みる。―右は無理。左もバンドが大きく無理。立木で20m、30mザイル等で試みるが、登り返しだった。タイムオーバー。尾根道へ戻る事に。これが一番悔しかった。

 100mのガレ沢を登り、尾根に戻ったのが12時半。しかし、あせりのせいか私にはその正午の日差しが西陽に感じた。
このガレ沢を登り返したときは、さすがに体力を使った。先程上シラケンで汲んだ水を飲み、再出発。コンパスを切って800mピークを目指す。途中、迷いやすい支尾根がいくつか点在しているがしっかり確認しながら主尾根を下る。右手に724ピークを見ながら位置を再確認する。それでも途中のつり尾根に時間を割かれる。

 500、400mと標高を下げてくるとほぼ(ルートが正しい事に)確信が持てる。しかしながら最後まで痩せ尾根は変わらず、さらに350m付近では高いピークが待っていた。ここは流石に左をトラバースしてクリア。後は標高230m沢の出会い地点を待たずにコスギダに入渓する事ができた。時間にして午後4時前のことだった。

 そこから20分ほどで変形三叉の沢出会い。永田川本流までが足が重く、できるだけ巻き道を取るがそれでも4〜50分は掛かる。そこから最初の入渓地点まで行くのに手間取り、いよいよ辺りが暗くなってきた。こんな所で迷うのか?と疑ったが、やはりそういう事もあり得る。できるだけ来た道を戻った方が良いと思った。
そうして林道に辿り着いたのが日没前のPM6:00だった。最後の沢下りは、足もふらついていた。

  お二方、お疲れ様でした。

目次へ戻る